sea_horseの日記

日々の記録をおもむくままに  

吉田茂

NHK 負けて勝つで吉田茂は、マッカーサー元帥と対峙しながら、敗戦国の首相ではあるが、臆するところなく気概を持って国の将来のためにあるべき体制を現実的に外交交渉から導き出した人物として描かれている。息子の吉田健一は芸者こりんを家にいれ母を死なせた父に複雑な感情ともつ人物であり、白洲次郎は、安保、講和という2つの大仕事を成した時点で引退を進めた、流れを読んだ人間として描かれている。

これに対して植草一秀氏はNHKドラマを真実に反する、吉田茂は対米隷属であると言い切る。さらに鳩山一郎の公職追放を促進し、自身の公職追放を防止するためマッカーサー夫人に付け届けしたという。ドラマではそのような権力欲で動いた人物ではないように描かれてるが。

植草氏は迷惑条例事件を起こしており、それも含めて真実を調べようという気もないが、NHKはある程度フェアに吉田像描こうとしたように感じる。特に天皇制を守ろうとしたあたりの気持ちは事実に近いように思う。彼が日本の代表としてマッカーサー元帥と接したことはわかるが、アメリカの国益にあった方向だったので日本は分割されず、天皇制も解体されず、しかし米軍駐留が継続しているという側面はあるのだろう。