渡辺あやさん
カーネーションの脚本をつくられた渡辺あやさんは島根県在住、二児の母とのこと。
2003年に『ジョゼと虎と魚たち』でデビューの寡筆な脚本作家のようですが、そのうち映画をつくるのでしょうか。楽しみです。
「生きものはみんな、人気商売である」という言葉がありまして。....家族だからといって甘えてはいけない。その人の前でいかに魅力的であるかということが、生きものとして要求されているんだと思うんです。動物が一生懸命身づくろいするように、人間も格好つけなきゃいけないんですね。それが相手に対する礼儀であり、また思いやりでもあると思うんです。
初めて現場に入られた夏木マリさんが「アウェーな感じ」とコメントされたのをきいてハッとしたんですが、そもそも「晩年を生きる」ということ自体が「アウェーを生きる」ということなのだと思うんです。72歳の糸子もまたアウェーのど真ん中にいる。自分を守ってくれた人たちを亡くし、若さを失くし、懐かしい商店街もすっかり様変わりしてしまった。新しい時代の人たちのための街並みに変わってしまっている
意外やこの世は描かれるべき美しいものに満ちている……とこの頃思うので、そんなことをひとつずつ、描いていけたらなと思います。が、とか言いつつ、とんでもなくこっぴどい話も書いてしまうかもしれません。いずれにせよ、とにかく品質の向上に日々精進する所存でございます。