sea_horseの日記

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日本人のリーダーシップ

半藤一利氏がリーダーシップについて述べておられる。

公刊戦史では東郷さんが「ここに来るでごわす。大丈夫。バルチック艦隊はここに来るでごわす」と指差して、対馬海峡を動かなかった。という話は本当ではない、戦争が終わってからの論功行賞のため隠された話がありそれは「極秘明治三十七八年海戦史」というものに書かれた。これが平成のはじめ米国から返ってきた。

これを解説している
今のベトナム バンフォン湾を5月14日で出たバルチック艦隊は遅くとも23日には対馬海峡につくはずだがつかないため、太平洋に出て津軽海峡に出るという予測が出て、北海道の出口で待つという意見が主流となった。これはまずいと思ったのが第二艦隊参謀長に藤井較一大佐。カッターを漕いで、戦艦三笠に行き参謀あいてに激論をはじめた。この議論をじっくり聞いていたのが兵学校同期の連合艦隊の参謀長の加藤友三郎少将で意志統一のため翌朝軍議開催を決めた。さて翌朝議論はやはり北進に傾くが遅れて到着した第二戦隊の司令官の島村速雄少将に意見を求めると「対馬に決まっている」と間髪入れず答えた。これを聞いていたのが東郷さんで「島村君と藤井君、ちょっと」と、司令長官室に二人だけを呼んでじっくりと聞いた。戦士は最短で戦場にむかうものという心理やら、貝殻が付着し10ノットの速度は出ない、到着は28日頃という話などを聞く。ここで東郷さんは「密封命令の開封を24時間延期する」と決断を下した。この延期期間中で他の情報もはいり、27日に敵艦見ゆとなり勝利をおさめた。

これでうまれた理想のリーダー像と米国の比較
はしょると高邁な品性、公明な資質、無限の包容力、卓越した識見、堅確な意思、非凡な洞察力、「要するに日本の指導者は、威徳を持たなければならない」となる。威徳を持つ人、威厳と人徳を持つ人であるということが確定した。太平洋戦争のいろいろな局面を見ると、日本の上に立つ人は、威徳を重んじて何もしなかったのだなということが、よくわかる、一方、アメリカの場合は1番めは国家に対するロイヤリティ、2番目は、指揮官は単純明快・むずかしいことをやるな、3番目は、自制心をしっかりと持つ。4番目手際のよさ。5番目に判断力。6番目に、勤勉にして熱心な素質と米国は具体的だと言っている。

最後に半藤さんのリーダー論
格好が付けばリーダーではない
1)決断する、2)明確な目標を常に部下に与える、3)権威(指揮官)はだれかをあきらかにする、4)情報は自分の耳で聞く、5)規格化された理論、前例にとらわれるな、6)部下に最大限の任務遂行をもとめる


http://www.gakushikai.or.jp/magazine/archives/archives_843.html:リーダシップ