sea_horseの日記

日々の記録をおもむくままに  

伊丹十三と父

NHK 伊丹十三 宮本信子の特集
伊丹十三の突然の死の死因については、暴力団や某宗教団体の関与説、不倫疑惑への身の潔白照明説など多々あり謎が残るがその話は一切触れていない。今となっては彼の残してくれたものに注力しようということなのか。NHKの放送で印象に残った部分を下記に記述する。

父伊丹万作の言葉

伊丹十三は子供の頃下記のような叱りの言葉を父万作より聞いている。「無法松の一生」で有名であり46歳で早逝した映画監督は越えられない壁としてとらえていた時期が長かったようである。しかしその後この映画こそが子供である十三へのメッセージであると理解している。
 意志が弱い      集中力がない
 気が弱い       根気がない
 グズである      ハキハキせよ
 オッチョコチョイ   調子に乗るな
 計画性がない     注意力が散漫である

万作はまた太平洋戦争について軍部に騙されていたという考えが浸透している戦後において、だまされたというが、だまされないひとがいればこうはならなかったという考え、皆に責任があるという論をはったというがこれについて原文を読んでみたいと思う。

(別資料  戦争責任について、
「いま、一人の人間がだれかにだまされると、次の瞬間には、もうその男が別のだれかをつかまえてだますというようなことを際限なくくりかえしていたので、つまり日本人全体が夢中になって互にだましたりだまされたりしていたのだろうと思う。」
(「戦争責任者の問題」『伊丹万作エッセイ集』より))

伊丹十三は万作の50回忌に子供たちを前に挨拶しており以下の様に述べている。
彼(万作)の作品を一貫して流れているのは自分の住んでいる国が個人の自由とか権利とか幸せとか尊厳とかってものを権力でもって抑圧し踏みにじろうとする時個人はいかにして自分に誠実に生きることが出来ろだろうかというのが彼のテーマだった

十三氏も同じテーマで生きたのだと思う。